アジフライカンパニー KADOYA - 角屋食品

2025年 代表取締役 年頭挨拶

皆様におかれましては清々しい気持ちで新春をお迎えのこととお慶び申し上げます。

旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。

 

 

境港におけるアジの水揚げ量減少、円安や人手不足による原材料費の高騰、鳥取県の人口減少…当社を取り巻く経営環境は決して見通しの良いものではありません。そのような状況の中で新年を迎えたわけですが、今、私が心に秘めている言葉があります。

 

禍福は糾える縄の如し(かふくはあざなえるなわのごとし)

 

昨年、当社がお手伝いをさせていただいたとっとり経営会議にご登壇された、株式会社伊藤の伊藤社長が大事にされている言葉の一つとして知りました。

 

検索してみますと「災禍と幸福とは糾った(より合わせた)縄のように表裏一体であり、一時のそれに一喜一憂しても仕方がないということ」という趣旨の説明がされているサイトが多くあります。一時の幸福や不幸は、それぞれを原因としてすぐに逆の状況に変わりうるのであるから一喜一憂する必要はない、ということで使われる言葉だろうと思いますが、伊藤社長のお話の文脈から私が感じ取った意味はこれとはやや異なるものでした。

 

「縄のようである」という例え、そして縄をより合わせるイメージから私が得たものは、単に心の持ちよう(受け身)ではなく、幸・不幸は能動的に会社を変革するある種の機会だ、ということでした。

経営が厳しい状況であるからこそ、それを改善しようと努力することで、次の成長の足がかりを作ることができます。苦しい時期に経営を支えようと試みた事業が、仮に数年後に1つの基幹事業にまで発展したとすれば、過去の災禍に感謝するかもしれません。

昨年、当社は冒頭に述べた外部環境厳しさから、会計/財務的には苦戦を強いられた一年であったものの、苦しい中であったからこそ新たな戦略の着想を得ましたし、また2022年から始まった新規事業開発に、より一層力が入った年だったとも言えます。

 

厳しい状況であるのは水産加工食品業界だけでなく、多くの業界、産業においても向かい風が吹いているものと思いますが、どう縄をより合わせていくか、つまりどう経営し、変革を実行していくのか、経営者が問われ続ける一年になろうかと思います。

 

見慣れたしめ縄も、今年の元旦は例年と違って見えました。

 

どうか本年も変わらぬお引き立てと一層のご愛顧、ご指導ご鞭撻の程、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

株 式 会 社 角 屋 食 品

代表取締役 角谷直樹