アジフライカンパニー KADOYA - 角屋食品

境港のマアジ水揚げ量の変化と当社一部製品の原料について

いつも角屋食品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。

本日は、近年の境港におけるマアジの水揚げ状況と、それに伴う当社製品の原料調達についてお知らせいたします。

 

日本近海のマアジ資源は、近年増減を繰り返しながら推移しており、「安定と不安定が同居する状況」となっています。

水産庁が公表する最新の資源評価でも、2024年の資源量は約37.2万トンと過去数年と同程度の水準と報告されています。

 

参考:水産庁「マアジ資源評価」

https://www.jfa.maff.go.jp/j/press/sigen/attach/pdf/20250829-2.pdf

 

一方で、

  • 成魚(大型のアジ)の割合が減り、若魚中心の資源構成になっている
  • 海水温変化などに伴い、来遊ルートが変わりやすい

などの課題も指摘されています。

つまり、「資源量は維持されているものの、安定供給が保証されているわけではない」というのが当社の分析です。

 

こうした中、境港におけるマアジの水揚げ量は、減少傾向が続いています。

昨年も本ブログにて状況をお伝えしましたが、今年はさらに減少し、当社の見立てでは直近40年で最低水準になる可能性があります。

境港におけるマアジの水揚げ量の推移(単位:トン、2025年は1月~11月までの集計)

 

当社は創業以来「境港産にこだわる」姿勢を大切にしてまいりましたが、極端に水揚げが少ない時期には、アジフライ加工に適したサイズのマアジを十分に確保できず、境港産のみで安定生産を継続することが難しい状況が発生しています。

 

一部製品を「国産アジ(国内他産地)」へ

 

安定的に製品を製造・供給するため、当社では

  • 境港産から「国産」表記への切り替え
  • 最初から「国産」として製品設計した新商品開発

など、柔軟な原料調達に取り組んでいます。

 具体的には、長崎県・佐賀県・山口県など、国内各地で水揚げされた国産アジを一部製品で使用しています。

 

豆アジ唐揚げは「国産」表記へ

 

もちろん、

  • 国産であること
  • サイズ・鮮度など当社の厳格な原料検査をクリアしていること
  • KADOYAのアジフライの風味や食感、品質を維持、向上できること

を必須条件としており、食品としての品質は変わらず維持しています。

 

また、境港産が確保できる時期には引き続き境港産を最優先で調達・使用しており、地元原料を重視する姿勢に変わりはありません。

 

開発当初から国産表記とした『すみっコぐらし』コラボ製品

 

「期待」と「課題」

 

上記の水産庁による資源評価では、

  • 若魚の加入量が増加し明るい兆しがある一方、
  • 成魚が減少する構造的課題も残る

という結果が示されています。

 

私たち食品メーカーに求められるのは、「慎重さと柔軟さの両立」だと考えています。

当社としては今後も、境港産アジへのこだわりの継続と、産地の多様化による安定供給の確保のバランスを重視し続けてまいります。

 

最後に

水産資源は自然環境の影響を強く受けますが、その変化に柔軟に対応しながら、誠実に、できることを一つひとつ積み重ねていく。

これは角屋食品が創業以来大切にしてきた姿勢です。

 

お客様に安心してお召し上がりいただける製品づくりに努めてまいりますので、今後とも変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。

 

株式会社角屋食品

代表取締役 角谷直樹